「現在このページの記事は全文にわたって見直しのため保留中です。」
としていましたが長らく放置するのなんなので・・・・この記事は撤回しようと思います。
バロック期において2拍子、4拍子、6拍子、12拍子においてCという記号を用いた実例がありました。
更にCに縦線の入ったものは、2拍子に限らず4拍子と思われるものもありましたので、現代の記譜法においてそれを2分の2拍子とされていますが、バロック期の作品では一概に2拍子と決め付けるのはいかがなものでしょうか?という意味の文章を書くつもりでしたが、頂いたコメントを吟味した結果、ルネッサンスまでの定量記譜法から現代のような拍子を元にした記譜法への移行期でもあったバロック時代の持つ特有の問題のような気がしています。
また、語弊の無いように書きなおす作文の技術も無いので、申し訳ありませんがこの記事は撤回させていただきます。
May 29, 2008
コメント
はじめまして、snowdropと名乗っております。引用されました記事を書いたものです。
説明に無理があるのではないかと申されましたところ、まさしくその通りです。実際、あの文章を書いた当時、もっとも引っかかったのはその「二倍の速さ」の部分であり、自分でも納得しないまま書いたということ覚えております。
決していい加減に書いたつもりはないのですが、調べながら理解が届いていなかったということであろうと思います。完全テンプスと不完全テンプスについても、ただ知っていただけで、理解するにいたっていなかった。もし理解していたなら、Cを四拍子、棒付Cを二拍子と短絡的には結びつけて、ああいう書き方をすることはなかったでしょう。
四拍子の倍という表現に対する疑問は、私がこの話を知った時から今日まで、ずっと拭えずにいたのですが、「Cの倍の速さをあらわすために縦線を加えた」という表現で、全て納得いきました。まさしく腑に落ちるということであろうと思います。
ありがとうございました。
> 中世(14世紀以後)に使われた拍子記号(この言葉は語弊があるかも)
まず「拍子記号」というより「メンスーラ記号」と言ったほうが正確でしょう。また「完全テンプス完全プロラツィオ」等のメンスーラの概念は14世紀アルス・ノヴァで確立され、15,16世紀のルネサンス期を通じて計量記譜法上の基礎となったものですが、それらを表す記号は14世紀も終わりになるまで固定されてなかったようです。なので、上に挙げられている「メンスーラ記号」が標準的に用いられるようになったのは15世紀以降と思った方が良いと思われます。
> というのは(Cの縦棒)はalla breveとも言われていて、brevisは短い音符の意味なので、
> alla breveは短い音符のように・・・・つまりテンポが速くなるという意味では無いかと思う。
これは誤解されているようです…。
むしろ(Cの縦棒)によって2/2拍子を表すことこそ正確です。
以下それを説明します。
縦棒の表しているのはディミヌツィオあるいはプロポルツィオ・ドゥプラというもので、その意味は「音符の時価を半分にする」ということです。たしかにこれは現象としては「二倍速」といっても間違いないかもしれませんが、「二倍速」というと「テンポが倍になる」ことに聞こえます。するとこれは不正確です。ディミヌツィオあるいはプロポルツィオ・ドゥプラの意味するものは「テンポが倍になる」ことではなくて、あくまで音符相互の比例関係に関することです。
また、alla breve の本義は、「通常はセミブレヴィスを一拍と思っているところをブレヴィスを一拍と思いなさい」ということで、ディミヌツィオあるいはプロポルツィオ・ドゥプラで起こることを的確に表現しています。そしてこれは、4/4では4分音符を一拍と思っているが2/2では二分音符を一拍と思うという関係にきちんと並行しています。
P.S.そういえば私も昔ディミヌツィオを(条件付きで)「二倍速」とどこかに書いた記憶が…。
勉強不足ですみません。
> また、alla breve の本義は、「通常はセミブレヴィスを一拍と思っているところをブレヴィスを一拍と思いなさい」ということで
これに関しては音価の比例関係に関しての話なので、必ずしも拍子系までが変化するわけではないと思いますがこの点をもう少し説明いただけないでしょうか。(頭の中でやや消化不良気味です・・)
それから2倍速とは書いていません。「速くなる」というのは音価が半減するため、半減してない場合の音価に比べて譜面上感覚的に速くなっているように感じるという意味でした・・・
もう少し勉強してから公開したほうがいい記事かも。
上記のレスを貰ってからこのページを修正完了するまで非表示にします。
細かいことですが
> それから2倍速とは書いていません。
ええと、上の方に「『Cの倍の速さをあらわすために縦線を加えた』が正しいと思う。」とあったので…。
> 必ずしも拍子系までが変化するわけではないと思いますが
なるほど、menuet さんが何を問題にしていて、私が何を問題にしていないかがようやくわかったと思います。
alla breve に関する後半部分についての補足として次のように言うべきだったかもしれません。
・(Cの縦棒)が現代の記譜法で2/2を表しているのは自然である。
・しかしながら、Cが4/4を表しているのは少し不自然である。
・C、すなわち不完全テンプス不完全プロラツィオの現代における対応物は2/4と思う方が自然である。
いかがでしょうか。
納得いかない点などありましたら言ってください。議論しましょう。
それから、記事の改訂の際には私のコメントは全て削除して頂いてよいです。
・(Cの縦棒)が現代の記譜法で2/2を表していると決め付けるのはのはおかしい。
・また、Cが4/4であると決め付けるのも同じくおかしい。
・すなわち音価が半減するだけであるので4拍子か2拍子かは楽譜から推測するしかない。
というのは如何でしょうか?
これが記事本文を書くときに思っていた事で、バロック時代の音楽をターゲットに考えていました・・・・
@snowdrop様へ
ご丁寧に挨拶ありがとうございます。
現在こういう状態なので、私の記事が原因でサイトの記述を変更させてしまったみたいでご迷惑をおかけします。
結論が分かるまでこの記事は保留にしたいと思いますので、重ねてお詫びを申し上げます。
まだ話がかみ合いませんね。^^;
Cと(Cの縦棒)について、現代と計量記譜法とバロックと話が錯綜している可能性があるので、混乱を避けるために、まずはバロックのことは忘れてもらって、Cとか(Cの縦棒)とか言うときには現代のもののことを言ってるのか、計量記譜法におけるそれのことを言ってるのかはっきりさせるようにしませんか。
まず
> ・(Cの縦棒)が現代の記譜法で2/2を表していると決め付けるのはのはおかしい。
「決めつけるのはおかしい」という表現が理解しにくいのですが、というのは私はこれまで現代記譜法の体系には本来存在していないCや(Cの縦棒)という記号がなぜ4/4や2/2を表しているのかを古い計量記譜法の体系を参照するならばその歴史的背景を理解することができる、という説明をしようとしてきたつもりです。
Cや(Cの縦棒)という記号は現代記譜法の体系では本来意味を持たないものです。そしてCと(Cの縦棒)がそれぞれ4/4と2/2を表すというのは定義、決めごと、約束です。これが大前提ですね。
また、現代記譜法において(Cの縦棒)がCのときの音価を半分にするという意味は持っていないことにも注意した方が良いでしょう。
これを踏まえた上で、現代記譜法におけるCと(Cの縦棒)の定義の妥当性を問うならば、これの前の私のコメントで三つ箇条書きにしたことが私の考えです。
その根拠の一つとしては、私が計量譜で書かれた曲を現代譜で書くときにCを2/4に、(Cの縦棒)を2/2に読みかえることが多い、すなわちこの読みかえが自然に感じられるケースが多いからです。
これに関して menuet さんが御自身の意見を持たれているのはもちろん良いわけですが、例えば本文の後記にあった「このような混乱の原因は古い時代での意味が忘れ去られて…」という記述に違和感を感じたためコメントを付け始めました。
> ・すなわち音価が半減するだけであるので4拍子か2拍子かは楽譜から推測するしかない。
これも理解しにくいです。
現代記譜法におけることを言っているのならば、先ほど「現代記譜法において(Cの縦棒)がCのときの音価を半分にするという意味は持っていない」と言った通りなので、上の一文は意味をなしているように見えません。
計量記譜法において言っているのであれば、計量記譜法においては現代における拍子の概念は存在せず、理論上メンスーラがその全てであったので、やはり上の一文は意味をなしているように見えません。
> Cと(Cの縦棒)について、現代と計量記譜法とバロックと話が錯綜している可能性があるので
についてですが、本文に
> バロック時代の楽譜で上記の拍子記号が書かれていた場合は、
> 必ずしも現在の楽典にあるような4/4拍子や2/2拍子を指すも
> のではありません。
と書いているように主眼はバロック時代のこの記号の取り扱いです。その記号の由来の説明のために、参考としてそれ以前の時代の記号に言及しました。
計量記譜法においてどのようなものであったかまではここでは言及していません。
あくまでバロック時代の話で拍子記号Cに於いては、12拍子(12拍子は4拍子系)だったりする実例がありますので、その観点から書いた記事でした。
本文の最後に「何時の時代から2/2を意味するようになったのでしょうか。」とあったのは現代の楽典が2/2拍子と限定してるので、バロック時代の解釈から現代の解釈に切り替わったのが何時ごろなのか?という問いでした。
この記事に関しては不適切な内容のようですので一度削除して、そのあと機会があれば勉強しなおしてまた書こうと思います。
ありがとうございました。
くどいようで恐縮ですがもうひとことだけ。
> 主眼はバロック時代のこの記号の取り扱いです。
えーっ、と思って本文を読み直しましたが、私にはそうは読めないようです。
後記の直前までの本文は次の三つのことからなっていると読めました。
1.計量記譜法のメンスーラ記号について。
2.その名残としての現代記譜法におけるCと(Cの縦棒)について。
3.バロックの拍子記号について。
後記の方は、現代記譜法におけるCと(Cの縦棒)の起源に関するsnowdropさんの記述に対するコメントなので現代記譜法と計量記譜法の比較についてが主であるというふうに読めました。
したがって私が誤読をした可能性があるのは
> このような混乱の原因は古い時代での意味が忘れ去られて、
の「古い時代」がいつかです。上記の理由で私はこの「古い時代」は計量記譜法が用いられていた中世・ルネサンスのことだと思ったのですが、バロック時代を指していたのであれば話が変わってきますね。
> この記事に関しては不適切な内容のようですので一度削除して
さんざんコメントを付けておいてこんなことを言うのは恐縮ですが、「不適切な内容」というわけではなく、むしろ内容自体は他では読めない興味深い内容だと思います。なので、私の意見ではあいまいに聞こえるところを明確にすれば、あとは少しの修正で良いようにも思います。一旦削除してしまうのは少しもったいない気もします。
えーと、これはあくまで私の意見です。長々失礼しました。
いいえ、意図と違った内容になってしまってるみたいですので他の方も同じように解釈して記事の内容にに疑問に思う可能性が高いので一旦全文を削除します。
今回の件ははバロック時代の調子記号として使われているCに対して、中世・ルネッサンスの時代の記譜法や現代の楽典で示されている意味などをを参照しながら、本文中にそれぞれを散文的に書いてしまったのが原因と思います。
まず、バロック時代はこういう扱い方をしていたという内容を書き、この記号の由来はこういうものでした。という事を書き、現在はこのような意味で使われていると言う風に文章を筋だって構成すべきでした。
しばらく記事を書く時間がないので一旦削除する事に決めました。
今さらではありますが、私のコメントについて二点、訂正させてください。
上の方で、ディミヌツィオあるいはプロポルツィオ・ドゥプラに関して、これを「二倍速」と捉え、さらに「テンポが倍になること」と見做すならば、不正確であるという趣旨のことを書きましたが、これは言い過ぎでした。
すなわちテンポというものをどう思うかによってはこれら正しいことにもなりえます。
また「むしろ(Cの縦棒)によって2/2拍子を表すことこそ正確です。」も言い過ぎでした。
その後のコメントで「・(Cの縦棒)が現代の記譜法で2/2を表しているのは自然である。」と言ったことの方を私の見解とさせてください。
@まうかめ堂様
いろいろご指導いただきありがとうございました。
頭の中で整理が付きそうも無いので、記事を諦めました。
また、何かありましたら宜しくご指導のほどをお願いします。
m(_ _”m)ペコリ
ところで この記号 「C」に名前はあるのですか?生徒に聞かれて調べたのですが 答えが見つかりません。
「Cの縦棒」の読み方も知りたいです。
気が付くのが遅くなりまして申し訳ありませんでした。
質問の件ですが私の把握している範囲では、Cに縦線の入った記号は現在ではalla breve(アラ・ブレーヴェ)と言うようになっていますが、Cについては良くわかりません。
ただ、14世紀頃の拍子記号は現在の2分割(例えば全音符1個は2分音符2個に分割)ではなく3分割(例えば全音符1個は2分音符2個に分割)が基本でした。
これを2階層までの組み合わせにすると4種類の分割法が出来ます。
つまり3分割の下に3分割(1=3×3)、3分割の下に2分割(1=3×2)、2分割の下に3分割(1=2×3)、2分割の下に2分割(1=2×2)。
最初の階層の関係をテンプス、下の階層を関係をプロラティオを呼んでまして、3x3は完全テンプス完全プロラティオを呼び、分割方法を表す記号として○のなかに点を打って表しました。感覚的には現在の9拍子に相当します(現在の拍子とは概念が違うので注意)。
3x2は完全テンプス不完全プロラティオと呼び記号は○のみで現在の3拍子に相当。
2x3は不完全テンプス完全プロラティオで記号はCの中に点を打ち、現在の6拍子に相当。
2x2は不完全テンプス不完全プロラティオと呼び記号はCで現在の2拍子に相当します。
菊池有恒氏の楽典では、Cは二全音符(ブレヴィス)1個=全音符(セミブレヴィス)2個(つまり2/1拍子)を表していましたが、後に二全音符(ブレヴィス)1個=2分音符(ミニマ)4個(つまり4/2拍子)を指すようになりまして、Cに縦線を入れたものは元々は倍の早さを示す記号として使われ、Cの時と音の数が同じ事からAlla brevis=Alla breveと言われるようになったとの事です。
この件に付いてが、まうかめ堂さんと議論になってしまった点です^^;
当時の分割法については後日改めて取り上げてみたいと思います^^
答えになっていなくてすみません^^
追記:
ここに興味深い解説がありました。ご参考になるかも^^
http://www.geocities.jp/gammautalamire/ReadingManuscript4.html